ともそだち通信3月号

ムーンショットステーションでの学習支援

2022年もあっという間に2ヶ月が過ぎ、少しずつ春の気配が感じられるようになってきました。
子どもたちにとっては、入学・卒業・進級と、新たなチャレンジが始まります。ムーンショットステーションでも、今年度を振り返り、新たな1年への準備を進めています。
今年度のムーンショットステーションでは、「学習支援」に力を入れてきました。特に力を入れてきたことが、中学生の学習支援です。今年度は中学1年生の子どもたちが多いため、定期テスト前にはテスト対策を実施し、平日だけではなく、土日も学習してきました。勉強のやり方も分からないところからのスタートでしたが、少人数で一人ひとりに合わせた学習を行い、少しずつ少しずつ、前向きな学習ができるようになり、1時間の学習が限界だったところから、朝から夕方まで学習できる日も多くなってきました。ムーンショットステーションでの初めての試みということもあり、職員にとっても単語練習帳や理科プリントなどの教材の作成や、教え方を工夫するなど、新たなチャレンジとなりました。テストの結果が返ってきて喜んだり、悔しがったりしている様子を見ると、子どもたちが学習に対して前向きになっている様子を実感することができました。点数だけではなく、目標を立てて、そこへ向けてがんばることができるようになったことは成長の証であり、その姿はとても頼もしく思えました。
また、ムーンショットでは、定期的に利用者全員の学習計画について会議を行っています。子どもたちの顔を思い浮かべながら、目標を決め、一人ひとりに合わせた教材を用意しています。そこには、個別支援計画を参考に、子どもたちや保護者の方々の願いを反映するだけではなく、我々職員の思いも込められています。
小学生は宿題の支援を中心に行っています。時間になったら自分で始めることができ、漢字練習や算数プリントなどをとても一生懸命に取り組んでいます。国語や算数の文章問題にも一緒に取り組み、「考える」力を大切にしています。また、今年度から導入されたタブレット学習は小学生には大人気で、夢中で取り組んでいます。
高校生では、岡谷の歴史や城について調べ、レポートにまとめるなど、自分の興味や追求したいことに、とことん取り組んでいます。出来上がったレポートは書店に並んでいてもおかしくない出来栄えでした。
養護学校の子どもたちは、学年の幅も大きいため、一人ひとりの定着度に合わせ、時計やお金の計算、漢字やローマ字など様々な学習を行っています。金曜日の養護学校の学習の時間は非常に静かで、目の前の課題に集中して取り組むことができていて、いつも感心しています。
「何のために勉強するのか?」学習塾で勤務しているときからずっと子どもたちに問いかけてきました。「高校に行くため」「宿題があるから」など、様々な答えが返ってきました。理由は違っていいと思います。ただ、今やっていることが未来につながっていくこと、自分自身の可能性が広がることを子どもたちには感じてほしいと思っています。自分の行きたい高校に行くために一生懸命勉強することで、自分の夢に近づきます。お金の勉強をすると、楽しく買い物ができるようになります。時計が読めると、時間の流れを感じながら生きていくことができます。学習を通して、自分で考えて課題解決する力を育て、子どもたちが、将来、明るく楽しく自分らしく生きていけるような支援を今後も続けていきたいと考えています。(植田 諭)

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