ともそだち通信12月号

2022年の年の瀬に~支援するとは~

自分らしく輝く未来のために

放課後等デイサービス「わくわくステーション」が開所してから七年の歳月が過ぎました。開設当初は小学生だった子どもたちが中学生、高校生になり、成人した人もいます。七年前には、こんなに長くこの子たちと一緒にいるとは思っていませんでした。

高学年になった子どもたちから「いつまでも僕たちがそばにいると思わないでよ!」なんて言われたこともあります。「そんなことを言える様になったんだ!」としみじみしましたが、更に成長した彼らは高学年の放課後等デイサービス「ムーンショットステーション」で生き生きと活躍しています。

先日は、自閉症の障害をもつ男子生徒の様子を観るために、保育所等訪問支援事業で中学校を訪問して道徳の授業を参観させてもらいました。「人権とはどういうことか」という問いに、彼は「自分らしく・・・自分らしく輝くこと」とつぶやいていました。「自分らしく輝く」は、七年前に掲げたともそだちプラネットのテーマです。小さい頃に聞いたこの言葉が彼の記憶に残り、年月を経て彼自身の言葉として表出されていることに驚き、感動でした。

ともそだちプラネットは、障害児者の福祉制度の中で、保育園の児童から成人の方たちを様々な形で支援する仕組みを整えてきました。「幼児期から成人期までを一貫して支援する仕組みができた」と言えば美しいのですが、職員は小さい子どもたちの遊びへの底なしの要求にあたふたし、中学生のテスト対策の教材作りのために子どもたちよりも勉強し、言語での表現が難しい思春期、青年期の人たちへの対応に苦戦するといった日々です。福祉施策では「個々のニーズに応じて、障がい特性を理解して自立に向けた支援をする」ことが求められていますが、「支援するってどういうこと?」と考えてしまいます。

この秋から、ムーンショットステーションが中心となり「僕らのアルテミス計画」と称して、ともそだちプラネットの活動を地域に開いていく取り組みを始めています。子どもたちや利用者の人たちが準備をして地域の人たちに遊びに来てもらおうという取り組みですが、実は共に育ち合っている宇宙観!!をムーンショットステーション(基地)から世界に向けて発信していこうという壮大なプロジェクト(?)です。アルテミス計画≪月を基地にして火星を人類が住むことができる星に創造する≫のNASAもビックリ…かもしれません。ムーンショットの子どもたちは、「僕らのアルテミス計画ってどう見てもパクリでしょ!」と言いながら、結構ノリノリで素晴らしい集中力と今まで蓄えてきた力を発揮して取り組んでいます。職員が迷ったり準備が遅れたりしていても、子どもたちに渡すとあっというまに物事が進みます。さすが、何年にも渡って数々のともそだちのイベント事に参加してきた子どもたちです。放課後等デイサービスは夕方の数時間と月に何回かの休日に来る子どもたちを支援する場所です。この短い時間の中でやってあげられることは限られていると思っていましたが、長年通ってきている子どもたちの様子を見ていると、それでいいのかもしれない…と思う様になりました。

≪成長していく子どもたちや大人として自分の人生を歩き始めている方たちに正直に向き合い、悩むことを恐れずに一緒に山を越えていく努力をすること≫ これも、ともそだちプラネットの支援の一つの形かもしれないと思う年の瀬です。

今年も大変お世話になりました。みな様良いお年をお迎え下さい。(プラネットセンター長 福田敬子)

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