夏から冬へ ~ぼくらのアルテミス計画~
2023年も残り1か月になりました。新型コロナ感染症が5類になり3年ぶりに日常が戻ってきた年でした。みなさまの実感はどうでしょうか。ともそだちプラネットでも、ようやくマスクを外しながら活動する場面も増えてきました。
社会は元に戻ったのか…。おそらく社会はコロナ禍の3年を経て、少しずつ以前とは違う方向に地球規模で向かっているのではないかと感じます。コロナ前に比べ社会のデジタル化は進み、AI搭載の家電やロボットが日常生活に登場しています。私も違和感なく、むしろ歓迎して外食店でのロボットの活躍を見守っている今日この頃です。
コロナ禍では3密(密閉 密着 密集)禁止で人と人が触れ合うことが著しく制限されていました。
子ども時代は、友だちとくっついてじゃれ合ったりケンカしたりして体を通してお互いを知っていきますが、コロナ禍はその機会を失ってしまった年月でした。かたやオンラインゲームや仮想空間、YouTube、zoom会議等、わずか5年前には馴染みが薄かったものが生活の中で便利なものとして欠かせなくなっています。こうした大きな変化を前にしていますが、ともそだちプラネットに通う子どもたちや利用者の方たちは、自然の中で遊んだり友だちと関わって活動することが好きで楽しんでいます。
わくわくステーションでは、夏から秋に変わる季節を感じながら諏訪湖を歩いて一周したり、公園に行って虫を探したり木の実を拾ったりして自然の中で過ごしています。学校も学年も違う子どもたちですが、みんなで鬼ごっこをして走り回ったりしてずいぶん仲良く遊べるようになってきました。人と仲よく過ごせる経験は人生にとって貴重なものだと思います。
ムーンショットステーションの子どもたちは、童画館通りのハロウィンイベントのお化け屋敷を力を合わせてつくり上げ、当日はゲーム屋さんやだんご屋さんも開店して、岡谷の街を楽しいハッピー空間にしました。お化け屋敷には長蛇の列ができ、園児さんから大人までドキドキ、わくわくしていました。「大学生のボランティアの人がやっているんですか?」と質問され「いいえ、小学生と中学生がやっています」と答えると、「え~!」とびっくりされていました。団子屋さんは養護学校の高等部の二人に任せていました。「君たちは中学生?高校生?」とお客さんに聞かれると「高校生です!」と胸を張って答えてしっかり接客していました。子どもたちも職員も、来てくださっている人たちに楽しんでもらおうと夢中でやりきった一日でした。
グラン・ジュテ あい工房は11月になってから童画館通りと電車通りの落ち葉を掃いています。竹ぼうきも新調し、毎朝約1時間掃除しています。最初は竹ぼうきの使い方に戸惑っていたり、集めた葉っぱをちりとりで取ってビニール袋に移すことが難しかったりと慣れない作業でしたが、継続は力です!すっかり掃除姿が板につき、道行く人たちから「ごくろうさま、ありがとうございます」と声をかけていただき、うれしい気持ちを感じています。落ち葉を掃きながら、風の強い日は集めた葉っぱが舞ってしまうことや、穏やかな日は紅葉に陽射しがはえて童画館通りが美しく色づいて見えること等、自然の景色を感じながらの掃除です。仕事とは奥が深い!!ものだと実感しています。
ともそだちプラネットで育ち合い働いている私たちが、「街をハッピーにしていく」取り組みが、『ぼくらのアルテミス計画』です。NASAのアルテミス計画は火星をめざしていますが、私たちは地球のこの岡谷の街をハッピーな世界にすることが願いです。秋祭り、宇宙教室、クリスマスマーケットと楽しい事は続きます。みんなでハッピーに遊びましょう。
(センター長 福田敬子)